今アメリカで起こっていることについて。
今アメリカでは黒人の被疑者が警察官に実力行使をされて亡くなった事件をきっかけとして大変な騒動になっています。
この件からいくつか思うことがありますけれども、ひとつはこういったことに抗議をして声を上げるということの大切さだと思います。
権利だとか自由というのは決して黙っていて獲得できるものではありません。
時としては「おかしいじゃないか」と声を上げることによって、社会に対して訴えかけて、これで社会が変わるということも大いに有り得ることですし、大事なことだと思います。
ただ今回、暴動だとか実力行使をともなってしまっているということがあることについては大変心配をしております。
かつて、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアという人が公民権運動で採った手法というのは徹底した非暴力でした。
暴力に対して応酬をすると、このことが憎しみをかえって増幅させて分断が広まって、そして結局うまくいかないのだというキング牧師の信念に基づくものがあったということです。
これが実を結んで、人種の隔離政策というのが改まったというのがアメリカの歴史です。
今の事態をもっても大統領もまさにに暴力をもって報復をするというようなやり方を取ってますけれども、今やはり改めてキング牧師のかつての運動というものを見直す必要があるのではないかと思います。