戦後80年・憲法と平和【上】戦争遺構が伝える記憶ー調布飛行場・掩体壕

調布飛行場の向かいにある、武蔵野の森公園には、「掩体壕」という第二次世界大戦の戦争遺跡があります。

調布飛行場は第二次世界大戦中、もっぱら陸軍が使用していました。

掩体壕というのは、空襲から軍用機を守るためのもので、本土決戦に備えて、貴重な軍用機を守るために作られたものといわれています。

NHKの朝ドラ「あんぱん」では、帰還してきた主人公「たかし」が、正義なんか簡単に逆転してしまうんだというセリフを何度か言っていました。やなせたかしさんご自身がおっしゃっている映像も見たことがあります。

学校の先生だった、のぶ(後の主人公の妻)は「子どもたちにまちがえたことを教えた」と、先生をやめてしまいました。戦後日教組が掲げた「教え子を再び戦場へ送るな!」のスローガンは、戦争を経験した先生たちの痛烈な想いだったのではないか、ということを改めて感じました。

のちに制定される日本国憲法で戦争を放棄したのは、こうした経験をした人々の、戦争は絶対にあってはならないという想いがあってのことと言えます。

今年は戦後80年という節目を迎えました。時の経過とともに戦争の語り部は次第に減ってきていますが、この戦争遺跡は、大戦の記憶を将来に向かって伝えています。

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