「註解日本国憲法」

最近、古本屋さんで「註解日本国憲法」の復刻版を見つけまして買ってしまいました。

と言いますのも、コンメンタールという言葉を聞いたことがありますでしょうか?

注釈書という意味なんですが、もともと家の書庫に一冊欠けた状態であってですね、初めて憲法の注釈書というのを目にしたのこれだったんです。

非常に印象に残っているのが以下の記述です。

日本国憲法の第一条というのは「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づく。

何について規定しているんでしょうか?

という話なんですが、この本は戦後すぐに編集された本でして、これが外国の憲法ではどうなってるんだとか、あるいは旧憲法、つまり大日本帝国憲法との比較でどうなのかとか、そしてその中でこの条文をどう読むのかという話なんですけれども、第一条のところには以下のように書かれています。

本条は日本国憲法の冒頭においてこの憲法の基本的組織原理を表明したものである。
憲法は国政の目的、限界などについてもいくつかの基本原理を持っているが、その組織原理として相互に関連のある数個の基本原理を規定している。

というところから始まるんですけども、その組織原理中の最も基本的なものを本文第一章にも改めて明確にしたものである。

この原理はすなわち国民主権の原理であるというのです。

第一条の規定が含まれている第一章は天皇と規定されており、したがって本条は規定の直接の目的から言うと、天皇の憲法上の地位を鮮明にしたものであるように見えるが、しかし規定自体の趣旨はむしろ新憲法における天皇の特殊な法的地位を鮮明にすることによって、結局その基礎である国民主権の原理を確認するにあったと言わなければいけない。

というように書かれておりまして、つまり第一条を普通に読めば天皇の地位はこうですよー、ということが規定されているように普通の国語的には読むんでしょうけれども、憲法の解釈としては、いやいや明治憲法時代にはそうではなくて超越した存在だった天皇があくまでも象徴にすぎなくなったということ、そして国民主権ということを宣言したのだと解釈するのだ、というのがこの本の冒頭に出てくきます。

私自身が他の条文にもいろいろあるんですけれども、憲法の解釈と言いましょうか、法律の解釈っていうのはこういった形で専門家の方々は読んでいるんだな、というの初めてなるほどと思った、そういった出会いの本でありまた条文です。

(2018年8月撮影)