あなたがあなたらしく生きられるために――

その思いを胸に、政治家として四半世紀、人権に関わる問題に取り組んできました。

法は富める人にも貧しい人にも、力の強い人にも弱い人にも、平等に力になり得ます。人権にかかわる法整備をすすめることは社会の公正さを前進させることにつながります。

私の祖父は、戦前に治安維持法に違反したということで何度も投獄されました。「戦争反対」と声を上げ、官憲に捕らえられたのです。祖父は「人権は地球よりも重い」という言葉を残していますが、人として当然のことを訴えただけなのに、投獄されたのです。これはまさに「表現の自由」に関わる問題であり、私が「人権」や「表現の自由」に関心を持つきっかけとなりました。

歴史上、尊敬している人物は、(米国の公民権運動を主導した)キング牧師です。彼の有名な演説「I Have a Dream」は、私の心を深く揺さぶりました。

私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色ではなく、その人格によって評価される国に住むという夢である。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア

人権というのは、人々が声を上げ、自ら勝ち取ってきたものです。
はじめは少数の意見であっても、勇気をもってあげた声はやがて多くの人の共感を呼ぶこともある。そんな声に政治は敏感であるべきです。

私には夢があります――

それは、障がいの有無、性別、性的指向や性自認にかかわらず、すべての人の個性が尊重され、人格によって正当に評価される社会を築くことです。多様性を尊重することはやがて社会の力になるはずです。

努力しても報われず、悩み苦しんでいる人、頑張りたくてもチャンスをつかめない人、社会的に弱い立場にある人に光をあてるのが政治の役割です。

弱い立場にある人が安心して暮らせる社会にしなければ、社会の豊かさは高まりません。

あなたがあなたらしく生きられるために――

他人が求めるあなたらしさではなく、あなたがあなたらしく生きられることができる社会こそが真に強い社会だと信じます。

個人の人格を尊重し、差別や分断を許さない、誰もが生きやすい社会をともに創っていきましょう。

“ government of the people, by the people, for the people”というリンカーン大統領のゲティスバーグ演説の一節は有名ですが、日本国憲法の前文にも「国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」と同様の趣旨が書かれています。
政治は本来、主権者国民のものであって、政府は国民の代表として権力を行使することになっています。しかし、建前と現実が乖離していると感じられる人は多いはずです。
トップダウンの政治では見落とされがちな、頑張っても報われない人、頑張りたくてもそのチャンスすらつかめない人に政治の光をあてるべきです。政治の力を本当に必要としている人は、多額のパーティー券を購入したり、圧力団体を通じて政治に働きかけをすることはできません。
地域でのミーティングなどを通じてボトムアップの政治を実践します。小さな声も国政へ―“ government…for the people”国民のための政府、#まっとうな政治 を創ります。
手話言語法の提出をはじめとして、障がい者施策などに取り組んできました。2025年にはデフリンピック東京大会が開催されます。
『耳の聞こえないメジャーリーガー ウィリアム・ホイ』という絵本があります。野球の審判がストライクやアウト、セーフなどのジェスチャーをするようになったのは、ろうのメジャーリーガーのためだったのですが、巨大なスクリーンなどもない時代、観客にとってもプレーが分かりやすくなり、野球観戦がより楽しめるようになったというエピソードも紹介されています。
エスカレーターやエレベーターの設置など、バリアフリーの取り組みは、もともとは足の不自由な人に対する配慮として始まったものですが、赤ちゃんを抱っこするパパやママにとっても移動が便利になっています。近年では、ホームドアの設置が目の不自由な人の転落事故を契機として報じられることもありますが、転落事故は圧倒的に健常者のほうが起こしています。
人権や障がい者施策というと「一部の人のこと」と思われるかもしれませんが、マイノリティに優しい社会は #すべての人に優しい社会 に通じます。
障がいの有無、性的指向や性自認によってではなく、その人の個性が尊重され、その人格によって正当に評価される国にしていきましょう。多様性を尊重することはやがて社会の力になるはずです。
2023年、所得格差を表す指数であるジニ係数が過去最大となりました。これまで政府は、富裕層を優遇すれば、その人たちがお金を使い、経済がまわるというモデルで政策遂行してきました。
しかし一部の人が巨額の利益を上げるなか、2024年5月まで実に26カ月連続して実質賃金が低下していました。
巨額の利益を上げた人たちは、投資などにお金を回すことはあっても、地域にお金が落ちるわけではありません。むしろ、(実質賃金が上がっているという前提で)昨年よりも月例賃金が多くなったという人がたくさんいたほうが、地域にお金はまわります。
年収が1億円をこえるあたりから実質的な税負担が軽くなるという「1億円の壁」の原因とされる金融分離課税について、どこまで行っても一律の税率であることは是正されるべきです。
また、法人税についても、累進制を復活させることで、賃上げや正規雇用のインセンティブを作るべきです。
一部の人たちが富を独占するのではなく、多くの人が平均的な豊かさを享受できる社会へ。現在の政府の政策の転換を求めます。
私の祖父は、戦前、「戦争反対」を訴えて逮捕されました。この話を聞いたときに感じた「なぜ?」という感覚、弁護士だった父宛に「(在日韓国人の方が)銭湯へ行くのに外国人登録証を携帯していなかったために逮捕された。助けてほしい」とかかってきた電話を受けたときに感じた「なぜ?」という感覚、この二つの「なぜ?」が、まだ「人権」という言葉の意味を知らなかった私に大きな影響を与えました。
かつてアメリカでは、黒人と白人は「分離すれども平等(Separate but equal)」という人種隔離政策がとられていました。これに対してキング牧師は、「合衆国憲法第14修正には、すべての人(any person)が法の平等な保護を受けると書かれているのであって、『すべての白人が』と書かれているのではありません。憲法に書かれた文字を現実のものにしなければなりません」と訴えて公民権運動を展開しました。
法は富める人にも貧しい人にも、力の強い人にも弱い人にも平等に力になりえます。人権にかかわる法整備をすすめることは社会の公正さを前進させることにつながります。
ジョン・スチュアート・ミルは『自由論』の序説において、個人は自分の肉体と精神に対してはその主権者であると言っています。社会が求めるあなたらしさ、他人が求めるあなたらしさではなく、あなたがあなたらしく生きられる社会をともに創っていきましょう。
小中学校の学校給食費無償化や給付型奨学金の拡充など就学支援制度の拡充で格差を是正し、学びの機会を保障します。
医療・介護・放課後学童クラブなどの人々の生活を支える仕事を応援します。
このようなベーシックサービスの分野での賃金処遇改善を通じて支え合う社会制度を確保します。
頑張っても報われず悩み苦しんでいる人。
頑張ろうと思ってもチャンスすら掴めない人。
社会的に弱い立場にある人に政治の光を。
政治は国民の不安に寄り添い、国民の幸せを守り抜くためにあります。
裏金問題は違法性の問題だけでなく、特定の人たちに向けた政治が行われ、政策決定のプロセスが歪められたのではないかという疑念を抱かせます。
誰に顔を向け 誰の声に耳を傾けるのか、そのことによって必ず政治は変わります。
本当に政治の力を必要としているのは多額の献金やパーティー券など購入できない人々です。
手を差し伸べるべき人々のための政治、まっとうな政治を実行します。
世界には選挙で自由に意思を表明できない国や、選挙を通じて政権や政治を変えることができない国もまだあります。
日本でも戦前は納税額の要件があったり、そもそも男性にしか投票権が認められていませんでした。
女性に選挙権が与えられたのは戦後、日本国憲法が制定されてからです
お金のある人もない人も、政治家に多額の献金をしたり、パーティー券を購入したりすることができない人も、18歳以上であれば誰もが平等に1票を持っています。
昨日までの多数意見が明日の少数派になるかもしれない。
昨日までの少数意見が明日の多数派になるかもしれない。
その力を皆さんの1票は持っています。
この総選挙で皆さんの持っている力、ぜひ示していただきますことをお願いいたします。

山花郁夫プロフィール

 

1967年1月東京都調布市生まれ、晃華学園マリアの園幼稚園、晃華学園小、早稲田中学・高校、立命館大学法学部卒。LEC東京リーガルマインド専任講師を経て、2000年衆議院議員初当選(以後4期)、法務副大臣、外務大臣政務官、衆議院憲法審査会会長代理、環境委員会筆頭理事、法務委員会理事、郵政改革特別委員会理事、総務委員等。立憲民主党憲法調査会長、ジェンダー平等推進本部副本部長、障がい・難病PT座長、東京都連政調会長等歴任。21年衆院選惜敗、捲土重来を期し活動中。