国境を越えた子の連れ去りについて引き渡しのルールを定めた「ハーグ条約」について。

EU欧州議会が国際結婚が破綻した場合などの子どもの扱いについて、日本人の親が日本国内で子どもを一方的に連れ去り、別れた相手と面会させないことなどを禁止するよう日本政府に要請する決議案を採択しました。

国境を越えた子の連れ去りについて引き渡しのルールを定めた「ハーグ条約」に日本は締結しており、私が外務大臣政務官の際に加盟の準備を進めました。

子の奪取に関する「ハーグ条約」は、離婚に際して子の親権を定める裁判をどこで行うのか、を定めたものです。

子を連れ去った場合には、原則として元々居住していた国で行うのが原則ですが、子の最善の利益の観点から、現在の生活実態のある国で行うことができます。

日本に連れ去られたばかりで、友達もおらず、言葉も通じないようなケースでは、元々住んでいた国で裁判をすることが適切でしょう。他方、日本で一定期間過ごした場合、幼稚園や学校に通い、友達ができている場合もあります。このようなケースでは、元々住んでいた国で裁判をすることは、お友達から引き剥がすことも起こり得ますから、子の利益の観点からは疑問が出てきます。

ヨーロッパでは、地続きの国が多く、移動が比較的容易であること(お友達と永遠の別れとは感じづらいのでは?)言語的障壁が比較的低い(元の居住地で言葉か通じないリスクは低い)などの違いがあるように思われます。このような違いから、ヨーロッパからみると日本は例外的取り扱いが多すぎると感じられるのかもしれません。

EUにはこうした事情を理解いただきたいと感じるとともに、文化的ギャップに起因するものもあり、相互にこれを埋める努力が必要に思われます。なお、日本人のカップルが、海外で子どもと生活していて離婚し、子どもを連れ帰ったケースでもこの条約は適用があり得るものです。

国際結婚めぐるEU議会の決議「一貫して適切に対応」茂木外相 | NHKニュース