表現の自由について。
「表現の不自由展・その後」という展覧会が脅迫行為などを理由に中止となりました。
今回の件は私は非常に表現の自由について考えさせる機会だったのではないかと思います。
ネットであるとかあるいはテレビのコメンテーターでも、反日であるとか多くの日本人が不愉快になるみたいな投稿やコメントが目立っています。
むしろこのことこそが今回の展覧会について、まさに表現の自由の問題だったということを示しているのではないかと思います。
もともと政府の方針に賛同する言論であるとか、多くの方が誰がその通りだとか気持ちよく感じるような表現というのがそもそも弾圧されたり規制をされたりということありません。
表現の自由というものを尊重しなければいけないというのは、むしろ政府の方針に反対をしたりとか、あるいは多くの方々からするとちょっと違うんじゃないのという意見こそが尊重されるべきだというのが表現の自由の本質だと思います。
そういった多様な意見に晒されながら、その批判に耐えうるような世の中でなければいけないというのが民主主義の本来のあるべき姿だと私は思います。
かつて、ヴォルテールという思想家がこんなことを言っています。
「私はあなたの意見には反対だけれども、あなたがそれを主張する権利は私は命をかけて守る」
この言葉が本当の意味での表現の本質を示しているのではないでしょうか。